3012月

title:河野公平直前インタビュー

SHN_8674

――河野選手はあまりジムに長居をしないそうですね。練習をしたらすぐに帰るとか。

「そのあとにすぐ走っているんです。走る時間を夜にしたら疲れがたまらなくなったんで」

――長居をしないのにジムの風景に溶け込んでいるようです。

「まあ17歳で地味に入って、最古参の1人ですからね。日本タイトルを1回ずつ取っている福原(力也)さん、和宇慶(慶三)あたりが同機です」

――お二方とも高橋智明トレーナーが担当になりました。

「一から教わったのは僕だけです。高橋トレーナーは僕のコンディションや性格を把握しているので「積極的に休め」と言ってくれます。

――ジムにはスパーリングを映像に収められるように三脚を持ってきています。世界王者なら誰かに撮影を頼めるのでは?

「自分のスパーって長いんです。8ラウンド前後やるから誰かに任せられなくて。撮り始めたのは東日本新人王になったあとくらいからです。西軍代表との全日本新人王戦で中広大悟選手(のちの日本スーパーフライ級王者)にリズムが狂わされて、映像を見たらダッキングをよくされていた。こういう確認のために、以後はスパーでも映像を撮ることを習慣づけています」

――今回の挑戦者であるノルベルト・ヒメネス選手(ドミニカ共和国)の映像は?

「研究しています。インターネット上に動画がひとつしかないので困っているくらいです。リーチが長くてバネがある、ダイナミックですね。強いし巧い」

――序盤に速攻をしかけられても、そこから河野選手ならじわじわと挽回する展開も期待できます。

「自分もそう思っています。だから序盤にボディから攻めていって、少しずつ顔に重点を移していきたい。ヒメネスは乱打戦ではノーガードで来るのでクロスのパンチも入りそうですね」

――高橋トレーナーは、河野選手を「相手の攻撃を外して当てるカウンターは打てないけど、クロスで当てるカウンターを打つ度胸がある」と評しました。

「不器用ってことです(笑)。あと、パワーがなくて、普通のタイミングで当てても倒れないから、相手が打ったタイミングを狙うんですよ」

――練習では必殺技をつくるようにピンポイントで、ひとつの攻撃を反復し続けています。

「昔はトータルでやっていました。バッグを一生懸命打って、ミット打ちもいろいろな種類を万遍なく。それから練習方法を変え続けて、初めて世界王座に就いたテーパリット・ゴーキャットジム(タイ)戦は左のクロスフックがドンピシャリでした。あの試合前の練習と最初のダウンシーンだけ見れば、対策の成功を感じますが、試合全体の技術は結局、積み重ねですね」

――世界戦で勝つコツは見いだせてきましたか?

「全然ですよ(笑)。いつも必死。しいていえば、何が何でも勝ちたいっていう気持ちで、勝利を祈り続けることですかね」